*―い じ め―*
「愛菜っ!!」
藍が愛菜の手を握った。
「……愛…菜?」
愛菜の目からは涙がぽろぽろと流れていた。
「……藍…里沙……
私のせいで……
ごめん…」
「愛菜っ」
里沙も追いついた。
「な……何で愛菜が謝るの?」
「……私…
私のせいだ…」
「……なんで愛菜のせいなの?」
「私が、一瞬でも、藍と里沙を仲間だと思ったからだよ……」
「え……?」
「私に仲間なんていないのに……」
そしてまた愛菜は泣き始めた。
藍と里沙は顔を見合わせて頷いた。
「「愛菜?」」
「……?」
「私等は仲間だよ。」
「え?」
「私等は……
いじめのターゲットになるのが怖かったんだ。」
「ごめんね……愛菜。」
「私等は仲間だよ。」
そう言って藍と里沙は愛菜に向かって微笑んだ。
「愛菜がいじめられてるのも知ってた……」
「だから、今度は私と里沙が愛菜を守るから。」
「友達としてね!」
愛菜はビックリしていた。
「2人共……」
また愛菜の目から涙が流れる。
「ほぉ~ら!
泣かないの!」
「そうだよ?」
「ありがとう……」
そして私と藍と里沙は授業中に教室に戻った。
「アイツ等……」
恭華は持っていた鉛筆を今にも折れそうなほど握った。