世界でたった一人だけ





あたしと沙里奈は、笑いながら話していた。


予鈴が鳴り、みんなが座る。

そこであたしたちは不安になっていた。




このまま戻ってこなかったら…先生に何か聞かれる?

けど、不安に浸っていたのもつかの間。夏井は戻ってきた。




「遅いんだけど!」





夏井の暗い顔を見ると、余計イライラを引き立たせてしまう。

夏井は、小さい声で「ごめんなさい…」と言ったけど、聞こえないフリをした。






「まじやる気なくす!早くカフェオレ渡してよ!」





発言するのはあたしばかりで、沙里奈はクスクス笑っているだけだった。

正直気に食わなかったけど、あたしはあたしの思うままに夏井に文句を言う。


おどおどしながらあたしたちに差し出すカフェオレを、勢いよく奪い取った。





「ちょっと…何コレぇ!?」
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