聖花学園~花よ咲き誇れ~
 まあ、わたしも嬉しいし。


「じゃ、とりあえず中入ろうか」

 年長者……というわけじゃないけど、由宇花さんが仕切る。


 性格上、わざわざ由宇花さんに刃向かう人はいないし。


「そうですね、行きましょうか」

 案の定、寿先輩が笑顔で同意。
 皆もそれに習ってぞろぞろと中に入っていく。


 そんな光景を見ると、由宇花さんってやっぱり姉御気質だなぁって思う。



 ……絶対に口には出さないけど……。



「小都子ちゃん、どうしたの? 行きましょう?」

 一人取り残されていた状態のわたしに、由宇花さんが声をかけてきた。


「あ、はい」

 私は小走りで皆に続く。



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