聖花学園~花よ咲き誇れ~
 コーヒーカップはジェットコースターより並んでいる人が少なかった。

 おかげで結構早く順番が回ってきた。


「小都子、俺と――」
「小都子さん、今度は私達と一緒に乗りましょう?」

 流依が近づいてきて何かを言おうとしたが、今度は寿先輩が邪魔をした。


「寿……先輩?」
 少し顔を引きつらせながら、流依は寿先輩を非難するように言った。



 流依の引きつった顔なんて初めて見た。

 めずらしー……。


「おや? 何ですか流依? 早く由宇花先輩の所に行って下さい。動き出しちゃいますよ?」


 それに、と付け加えて寿先輩が流依に何か耳打ちをする。

 すると流依は何故か固まった。

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