聖花学園~花よ咲き誇れ~
 そんな固まったままの流依をほっといて、寿先輩がわたしの背中を「さあさあ」と押した。


「寿先輩。流依に何言ったんですか?」

「早い者勝ちだと言っただけですよ」



 早い者勝ち? 何のことだろう?


 それについては全く分からなかったけど、寿先輩が流依に別のことも言ったのは分かった。


 だって、それだけであんなふうに固まるわけがない。


 何か他の事も言ったか、もしくは別の言い方をしたに違いない。




 でも、わたしは正体不明の恐怖を感じてその詳細は聞かない事にした……。


 結局流依は由宇花さんの方へ座り、わたしは寿先輩と和子先輩のカップに座った。

< 223 / 380 >

この作品をシェア

pagetop