聖花学園~花よ咲き誇れ~
「どうしたの? ……小都子?」

 逆にそんな私を不審に思ってか、和子先輩が聞いてくる。


 一瞬、思っていた言葉を全部言ってしまおうかと思って止めた。

 何か、言っても無駄な気がしたから……。


 その代わり。



 お礼言わないと。


「あ、その……ありがとう御座いました。和子……じゃなくて、和先輩」


 わたしがそう言うと、和子先輩は目を驚いたように見開いて固まってしまった。




 和子先輩のそんな表情、始めて見た。



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