聖花学園~花よ咲き誇れ~
 はい、その通りデス……。


 わたしは言い当てられて気まずそうに肩をすくめていた。



「だから!」


 突然翔子先輩は声を大きくした。

「これからもどんどんアプローチするから、オレのことちゃんと恋愛対象の異性として見てくれ。それだけは約束してくれないかな?」


 そう言って、翔子先輩は男らしい優しい微笑を向けてくれたものだから、わたしは「はい」と思わず頷いてしまっていた。



「それじゃあ、約束の印」

 と言った翔子先輩は、人差し指でわたしの顎を上に向け、唇をわたしのそれにトンっと触れ合わせた。


 わたしは、突然のことにまた固まってしまう。





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