聖花学園~花よ咲き誇れ~
「俺、普段は女の格好してるし、可愛い系で通ってるから意識しずらいかもしれねぇけどよぉ。……ちゃんと、男なんだからな?」

 頬に置いた手はそのままで、優姫先輩は言う。



 はい、ちゃんと男として見てます。

 特に今は!

 だって……近くにある顔が真剣そのもので、男らしくカッコイイ。


 さっきからドキドキ心臓が止まらない。


「なあ、ちゃんと分かってるか?」

 念を押すように聞いてくる優姫先輩に対し、わたしはコクコクと頷いた。


 優姫先輩の手があるから、あまり大きくは動かせなかったけど、十分伝わったらしい。


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