聖花学園~花よ咲き誇れ~
いさかい
「アイリス様が悪いって言うの!?」
そんな叫び声が聞こえてきたのは、移動教室のために廊下を歩いていたときだった。
廊下の角を曲がった先から聞こえてくる。
角のところで隠れるように様子を見ると、十数人の学年まちまちの生徒達が険悪な雰囲気で集まっていた。
「別にアイリス様が悪いってはっきり言ったわけじゃないわ。ただ、カトレア様を無視してないでちゃんと話し合われればいいのにと言っただけよ」
「その言い方だとアイリス様のほうが悪いみたいじゃない!?」
「そうよ。それに無視なさってるのだってちゃんと理由があるはずよ。……大方、カトレア様がアイリス様に酷い事でもなさったんじゃないの?」
最後の子の言葉に、集まっているうちの半分が気色ばった。