聖花学園~花よ咲き誇れ~
 流石に申し訳なくて謝った。


 すると流依は打ちひしがれるように脱力する。


「やっぱりな……そうかな? とは思ってたんだ……。でもあれだけアプローチしてきたのに欠片も気付かないなんて……」

 流依が暗い顔でぶつぶつ何か言ってる。



 こっ怖いって!!


「ホント、ごめんってば!」

 そうもう一度謝ったわたしと、流依は目を合わせた。


「もう言うな。仕方ない……俺も先輩達同様返事はいらない」

 そこで一度言葉を切った流依は、手を伸ばしてわたしの髪を一房取った。


「観覧車のときと同じ事をしないっていうのは保障出来ない。でも、小都子が嫌がるならすぐ止めるから……だから、これからもアプローチするのは認めてくれ」

 そして、掴んだ髪にキスをされた。



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