聖花学園~花よ咲き誇れ~
「へ? 本番?」

「そう、準備は整ってるからね。とりあえずは正しい洗顔や髪の洗い方から始めて、あと手入れの仕方……。それから……」

 翔子先輩が指折り数えながら説明してくれる。
 でもわたしはそれを遮った。

「そこまでやらないと駄目なんですか!?」


「とーぜん! やるなら徹底的に! だ」
 優姫先輩がニッと笑って答える。


「私達全員で教えますから、頑張ってください」
 口調はやんわりとしている寿先輩。
 でも言葉は反論の余地は与えない。


「とりあえず……動きやすい服に、着替えて……来て……」
 そのまま眠ってしまうんじゃないかと思わせるような和子先輩の言葉で、わたしは自分の部屋に着替えに行くことにした。

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