聖花学園~花よ咲き誇れ~
「本気にはならねぇと……思ってたんだけどな……」


「何のことだい?」


「おわっ!?」


 返ってくるはずのない呟きに対する疑問の声に、俺は思わず仰け反った。


 後ろから聞こえた声の主を確認すると、そこには翔がいた。



 何時の間に!?



「そんなに驚かないでくれよ。……で? どうしたんだ? こんな時間にまだ談話室にいるなんて」

「考え事してただけだ」


 ぶっきらぼうに答えて、俺は翔から顔を逸らした。


「ふーん……。じゃあ本気ってのは何かな?」

 意味深めいた言葉に、横目で翔を見ると笑っていた。

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