聖花学園~花よ咲き誇れ~
 優姫先輩は、見た目の可愛らしさと、いつも長身の翔子先輩が近くにいるせいで、小さく見られがちだが、実際の所はわたしより高い。

 少なくとも165cm以上はあるだろう。


 だから、近くに来られると見上げる形になってしまう。


「何かあっても、さっきみたいに笑ってりゃ良い。嫌味の無い知性と優雅さ、それがお前のフラワースマイルだ」

 ニッと笑った優姫先輩は、わたしの顎を優しく掴んで視線をピッタリ合わせた。


 え? ええ?


 睦言のような言い方。
 キスでもされるかのような行動。


 今、わたしの心臓は鼓動を早くしている。

 口から何か出てきそうなのを必死で堪えた。

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