聖花学園~花よ咲き誇れ~
 しばらくして唇が離されるころには、わたしは真っ赤になっていた。


「とにかく、着替えるからそのままでいろよ」

 ファーストキスをいとも簡単に奪った相手は、温かかった唇とは正反対の冷たい言葉をわたしに投げかけた。


「な……何で男の子が……っていうか本当に流依さん……なの?」

 男という以外にも、普段のイメージとのギャップが激しかった。
 疑問を抱くのは必然だ。


「そうだ。詳しい事は後で説明するから黙ってろ」

 と、そう言ってそれ以上何も言わない流依さんに、わたしも黙っているしかなかった。






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