愛…して…?
やっぱり力也の車の助手席にはきょんがいた
いつも通りあたしは後ろに乗り、車は走り出した
力也ははじめ、一人であたしを迎えに行くと言ったらしい。
しかし、そんなのきょんに通じるわけない
だってきょんは力也のこと好きだから
でもあたしは負けない
コンビニに寄り、酒とあたしの煙草を買ってみんなが待つ所へ向かった。
もうそろそろ夏になる季節で花火をしながら飲もうということで場所はお決まりの公園。
あたしはきょんとみんなと少し離れた場所に呼び出した
そして自分に正直になった
「あたし、力也が好きなんだよね」
「えっ…………」
きょんは目をまんまるにして驚いた顔をした
あたしは確信した
きょんは力也が好きなんだって
でも先にカミングアウトしてしまえばこっちのもんだって思った
なんでだか分からないけど
力也だけは譲れなかった
どうしてもきょんや他の女のもんになってほしくなかった
初めてこんな気持ちになった
人を好きになるってこういう事なんだろうか
しばらくしてきょんは口を開いた
「うち、まさきくんが好きなんだよね」
「まさきくん?」
「うん、こないだ4人で遊んだじゃん」
「うん、分かるけどあのまさきくん?」
「そう」
「ふーん」
きっときょんなりのあたしへの優しさだったと思う
━時には嘘も大事━
よくきょん言ってたから
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