未定
「あたし両思いなんだよね?」

思わずポロッと出たその言葉に、

「付き合ってるんでしょ」

再び笑う智美。

あまりの不安さに、そのことにさえ苛立ちを覚えるあたしは最低だ。




―――――――・・・それから帰りまで、あたしは歩と話さなかった。


「・・・・・・」

いつもなら、自分から歩の方へ行くあたし。
でも今日は、自分1人で小さな駆け引きをやってみる。

いつもあたしは歩と帰るけど、歩は帰りの間あんまり喋んない。
だからたまに、つまんないのかな、なんて思ったりもする。

・・・ひょっとすると歩は、仕方なくあたしと帰ってるんじゃなかろうか!!
実は、心の中では『めんどくせぇ』とか思ってるんじゃなかろうか!!

あたしから行かなくても、
歩は一緒に帰ろうって、言ってくれるのだろうか。


鞄を机に置いて、椅子に座り俯くあたし。

いつものように自分の所に飛んでこないあたしを、歩はどう思ってるんだろうか。


いつの間にか教室には、あたしと歩しかいなかった。







< 8 / 18 >

この作品をシェア

pagetop