君への想い
「名前は?まだ覚えてないんだ。」




「矢谷李音です。」



私が名前を言った瞬間、松川先生は驚いていた。




「智哉の妹か…」




え?今何て…。




「兄を…知ってるんですか?」




「知ってるって何も兄弟みたいな存在だった。」




思い出した…。




松川先生は、兄のお葬式に居た…。




「そうだ。智哉が李音ちゃんに渡すとか言ってたものがあるんだ。」




「え?何ですか?」




「これ。そういえば、誕生日1月25日だよね。」




「何で知ってるんですか。」




「智哉から聞いてた。」




渡すと言っていたものはイニシャルのペンダントだった。




私は涙を流していた。





兄が死んで以来初めての。














< 5 / 10 >

この作品をシェア

pagetop