ばうんてぃ☆はうんど・vol.2~鷹の目の向こうに《改訂版》
この手のターゲットを捕獲する場合、狙われてる対象を護衛しつつ、狙ってきたとこを後の先取ってパクるのがセオリーだが、なんせ今回は対象に近づけねえ。
ウィリスは、忙しくニューヨーク市内何ヶ所かを回りながら今も車で移動してんだが、移動の際は3台の護衛車、乗り降りの際にはSPどもがべったり張り付いてやがる。
ほとんど厳戒態勢だ。狙われてんのを知ってんだから、当たり前だが。
俺らもその後をついて回ってんだが、しょっぱなでいきなり銃突き付けられて尋問された。BHライセンス見せて昼間電話かけたことを話したら、なんとか解放されたが。『護衛したいなら邪魔にならんとこでやれ。怪しい行動を取ったら即射殺する』だとさ。
で、今もこうして遠巻きに追跡してる。一応お許しはいただいたわけで(気をつければ)テロ屋と間違えられて撃ち殺されることはなくなったが。
「で、今日の予定はこれで終わりか?」
「ん。あたしが調べた限りでは。予定通りなら、このままホテルに戻るはずだよ」
俺はバイクのケツに乗っかってるあかりに聞いた。ミニスカートを気にするそぶりもない。ディルクは俺達の少し後ろを走ってる。
あかりは片手で俺にしがみつき、もう片方の手でスマホを操作しながら答えた。
かなり危険だ。良い子はマネしないように。
辺りはすっかり夜の闇だ。とはいえ大都会ニューヨーク。ビルの明かりやらネオンやらで、夜でも見通しは結構良い。見晴らしの良い場所から見降ろしたら、さぞかし綺麗な夜景だろう。
「今日は空振りかね」
「もう暗いしねー」
「いや、暗さは関係ねえだろ」
「なんで? だって見えなくね?」
「スターライトスコープ使えば問題ねえだろ」
「何それ?」
そんくらい知っとけよ。今どきジュニアハイでも知ってんぞ。
『最後まで気を抜くな』
メットに取り付けたインカムから、ディルクの声がした。
『ホテルに入るまでは油断できん。降りたところを狙われる可能性がある』
「ああ、そうだな」
「っても、ホテルの周りの狙撃できそうなビルは全部、エージェントがガチで押さえてるって言ってるよ?」
傍受した無線を聞きながらあかりが答える。
『相手は“シルバー・バレット”だ。いくら用心しても、しすぎるということはない』
「そうなの?」
ウィリスは、忙しくニューヨーク市内何ヶ所かを回りながら今も車で移動してんだが、移動の際は3台の護衛車、乗り降りの際にはSPどもがべったり張り付いてやがる。
ほとんど厳戒態勢だ。狙われてんのを知ってんだから、当たり前だが。
俺らもその後をついて回ってんだが、しょっぱなでいきなり銃突き付けられて尋問された。BHライセンス見せて昼間電話かけたことを話したら、なんとか解放されたが。『護衛したいなら邪魔にならんとこでやれ。怪しい行動を取ったら即射殺する』だとさ。
で、今もこうして遠巻きに追跡してる。一応お許しはいただいたわけで(気をつければ)テロ屋と間違えられて撃ち殺されることはなくなったが。
「で、今日の予定はこれで終わりか?」
「ん。あたしが調べた限りでは。予定通りなら、このままホテルに戻るはずだよ」
俺はバイクのケツに乗っかってるあかりに聞いた。ミニスカートを気にするそぶりもない。ディルクは俺達の少し後ろを走ってる。
あかりは片手で俺にしがみつき、もう片方の手でスマホを操作しながら答えた。
かなり危険だ。良い子はマネしないように。
辺りはすっかり夜の闇だ。とはいえ大都会ニューヨーク。ビルの明かりやらネオンやらで、夜でも見通しは結構良い。見晴らしの良い場所から見降ろしたら、さぞかし綺麗な夜景だろう。
「今日は空振りかね」
「もう暗いしねー」
「いや、暗さは関係ねえだろ」
「なんで? だって見えなくね?」
「スターライトスコープ使えば問題ねえだろ」
「何それ?」
そんくらい知っとけよ。今どきジュニアハイでも知ってんぞ。
『最後まで気を抜くな』
メットに取り付けたインカムから、ディルクの声がした。
『ホテルに入るまでは油断できん。降りたところを狙われる可能性がある』
「ああ、そうだな」
「っても、ホテルの周りの狙撃できそうなビルは全部、エージェントがガチで押さえてるって言ってるよ?」
傍受した無線を聞きながらあかりが答える。
『相手は“シルバー・バレット”だ。いくら用心しても、しすぎるということはない』
「そうなの?」