ばうんてぃ☆はうんど・vol.2~鷹の目の向こうに《改訂版》
「てか出来た!」
あかりが忠吉をかかげ、満足そうに一言。陽の光にかざしながら、しげしげと眺めてやがる。
「どう? ちょー盛れてっしょ。やっぱあたしのセンスって、かなりヤバすぎくんだよねー。いやー映えるわー」
言いながらデコ忠吉を見せてくる。
「あぶねえって。刃をこっちに向けんな」
「よく見なって。ほれほれ」
「わかったわかった。どれ――」
……正直よくわからん。鞘の部分は、もはや地の部分が全く見えねえ。スチール製だったはずだが、黒光りしていたスチールの質感は、もはや毛ほども感じられん。
柄の部分もほぼ全体をビジューやらラメやらが埋め尽くしており、死ぬほど握りにくい。
鍔にいたっては、最初からビジューで作り上げたのかと思えるほど、デコ装飾に占領されている。
正直、武器としてのオーラっつうか、なんか迫力みたいなモンは全て奪い尽くされていた。これはあり得るのか?
「ああ……まあ……良いんじゃないか?」
ダメ出ししても文句でうるさいだけなので、とりあえず無難なコメントにしておいた。
「でしょー? あかりちゃんすごいわー。マジイケてるあーちすと、略してMIAだわー」
自分で言うか? しかも意味がわからん。
そこで、ちょうどディルクがデッキに上がってきた。
「モスコミュールを作った。飲むか?」
差し出されたグラスを受け取りながら、
「お、サンキュー。悪いな」
「問題ない。あかりはトロピカルジュースで良いか?」
「ありがとうパパ大好きガチで」
「誰がパパだ」
どっかで聞いたネタだった。あかりは受け取ったジュースを一口飲むと、グラスを横のテーブルに置いてビーチチェアに背を預ける。
「今回の収支だが……」
ディルクが俺の隣に腰掛けながら話し始めた。
「ギリ黒字なんだろ?」
「そうだが、それほど大儲けでもない。今回は予算がかかったからな。プラス70万といったところだ」
「70か……」
普通に生活して数週間ってとこだ。
「どうする? またすぐ仕事を始めるか?」
「えー……」
俺の代わりにあかりが不満を口にする。
「なんか今回ちょー疲れたし、少しくらい休みたいんですけどー……」
「休めないわけではないが、そうそういつまでものんびりはできんぞ?」
ディルクの言うことはもっともだった。しかし――
「けど、俺も少し休みたい気分なんだよな……」
あかりが忠吉をかかげ、満足そうに一言。陽の光にかざしながら、しげしげと眺めてやがる。
「どう? ちょー盛れてっしょ。やっぱあたしのセンスって、かなりヤバすぎくんだよねー。いやー映えるわー」
言いながらデコ忠吉を見せてくる。
「あぶねえって。刃をこっちに向けんな」
「よく見なって。ほれほれ」
「わかったわかった。どれ――」
……正直よくわからん。鞘の部分は、もはや地の部分が全く見えねえ。スチール製だったはずだが、黒光りしていたスチールの質感は、もはや毛ほども感じられん。
柄の部分もほぼ全体をビジューやらラメやらが埋め尽くしており、死ぬほど握りにくい。
鍔にいたっては、最初からビジューで作り上げたのかと思えるほど、デコ装飾に占領されている。
正直、武器としてのオーラっつうか、なんか迫力みたいなモンは全て奪い尽くされていた。これはあり得るのか?
「ああ……まあ……良いんじゃないか?」
ダメ出ししても文句でうるさいだけなので、とりあえず無難なコメントにしておいた。
「でしょー? あかりちゃんすごいわー。マジイケてるあーちすと、略してMIAだわー」
自分で言うか? しかも意味がわからん。
そこで、ちょうどディルクがデッキに上がってきた。
「モスコミュールを作った。飲むか?」
差し出されたグラスを受け取りながら、
「お、サンキュー。悪いな」
「問題ない。あかりはトロピカルジュースで良いか?」
「ありがとうパパ大好きガチで」
「誰がパパだ」
どっかで聞いたネタだった。あかりは受け取ったジュースを一口飲むと、グラスを横のテーブルに置いてビーチチェアに背を預ける。
「今回の収支だが……」
ディルクが俺の隣に腰掛けながら話し始めた。
「ギリ黒字なんだろ?」
「そうだが、それほど大儲けでもない。今回は予算がかかったからな。プラス70万といったところだ」
「70か……」
普通に生活して数週間ってとこだ。
「どうする? またすぐ仕事を始めるか?」
「えー……」
俺の代わりにあかりが不満を口にする。
「なんか今回ちょー疲れたし、少しくらい休みたいんですけどー……」
「休めないわけではないが、そうそういつまでものんびりはできんぞ?」
ディルクの言うことはもっともだった。しかし――
「けど、俺も少し休みたい気分なんだよな……」