大好きだょ
あたしは、声を押し殺さず泣いた。
あたしの心は、不安定だった。
龍が目を覚まさないのが怖かった。
あたしは、人殺しかもしれない。そう思った日もあった。
あたしの手に、温かくて懐かしいぬくもりを感じた。
あたしは、驚いた。だって、龍の手があたしの手を握り締めていたから。
「龍・・・?」
龍の名前を呼びかけてみた。
そしたら、
「結衣。好きだよ。だから、泣かないで。」
そう言って目を覚ました。
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