_愛の形_
私はそう納得し、鍵を返そうとする。
が、
「ごめん!!本当に今日だけっ!!!帰りも自転車貸して」
そう、今日の帰りはバイトがあったのだ。
歩いていく距離ではないバイト先、必死にお願いする私にれいちゃんは、
「理由は?」
そう聞いてくる。
「バイトだよ」
そう言って私は再度、
「ね?お願い」
そう言って、頼み込む。
「じゃー、俺も。ついていってい?」
そう言ってれいちゃんは私に聞いてくる。
「なんでれいちゃんが?」
そう聞く私に返事なんて用意されてなくって、
「人前で、れいちゃんって呼ぶの禁止ね。じゃ、帰りに」
そう言って、れいちゃんは一年の校舎に戻っていった。
「ねぇねぇ、今井 玲くんのお姉ちゃんって今井さんだったの?」
そう言って、クラスメートの数人が私に驚きの表情を向けて聞いてくる。
「うん、そうだけど?」
「キャー、うらやまし~!!!私、あの子狙っちゃお」
そう言って、姉の前で狙っちゃいます宣言をしたクラスメートは、黄色い声だけを残し、私の元をさっていった。