_愛の形_




_放課後




私は自転車置き場でれいちゃんを待つ。




「・・おーそーいーー」




そう言って、ほとんどの人が居なくなった学校で文句を言う。




「…バイト、遅刻する。」





「まじで?」




独り言のはずなのに、なぜか返事が返ってくる。





振り向かなくてもわかる。私がずっと、ずっと前から聞いてきた声。





「れいちゃん。」




「だーかーら、学校でれいちゃんは禁止っつったじゃん」




そう言って、呆れたように呟くれいちゃん。




「違うよ。人前ではだめだって、そう言った」




「そうだっけ?」




れいちゃんからは、生返事が返ってくる。




「よし、いくぞ」




そう言って、れいちゃんは私に言った。




「俺、後ろね」




そう言って、れいちゃんは、はやく。そう言ってせかしてくる。





「まじで?」




てっきりれいちゃんが前に乗るものだと思ってたから、私は拍子抜けしてしまった。




「まじ」




そう言ってれいちゃんは、後ろにすわると、「はやく乗って」




そう言って、又私をせかす。











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