_愛の形_
顔、近すぎるってば!!
いくら兄弟だとはいえ、こんなに綺麗な顔が自分のまん前にあったらさ?
誰でも顔ぐらい、真赤になっちゃうよね?
私はれいちゃんから不自然なくらいにぱっと顔を離し、
「ごめんごめん!よしっ、いくね」
あかるすぎる声を出し、私は自転車を進める。
「変な姉貴ー」
そう言われたれいちゃんの言葉には、反応しないようにした。
しばらく無言が続いているうちに、バイト先につく。
「れいちゃん、私がバイトしている間、どーする?自転車で、帰っていてくれてもいいよ。」
そう言う私にれいちゃんは、
「初めっからそうするつもりだった」
そう言って、私から鍵を受け取り、
「帰り、寄り道禁止」
そう言って、帰っていった。
「バイト先まで着いてきてくれて、ありがとね」
私は、小さくなっていくれいちゃんの背中にそう言った。
私のバイト先は、ファミレス。
このバイトをしてから一年、なんでもそつなくこなせるようにはなっていた。
食器を下げる時、
「ミウチャン、手伝うよ」