_愛の形_



そう言って、重いステーキがのっていた鉄板を持ってくれようとしているのはユウト先輩。




「先輩、いつもありがとうございます」




「困ったときはいつでもどーぞ?」




そう言って、丁寧な返事を言って、うけを狙うユウト先輩。





私は笑いながら食器をもつ。




「すみませーん」



お客の注文をしようと定員を呼ぶ声が聞こえてくる。




「あとは俺がかたずけとくから。オーダー、聞いてきて」




そう言って、嫌な仕事を代わりにしてくれる、優しいユウト先輩。





れいちゃんとユウト先輩、性格は違うけど、何処かかぶるところがあるなー。




そう思いながら、「すみません。お願いします」




私は頭を下げてから、オーダーを聞きにいった。





やっとバイトが終わり、スタッフルームを出ると、




「ミウちゃん」




スタッフルームの外にいた、ユウト先輩に声をかけられた。





「お疲れ様です」




私はそう言って、頭を下げる。




「ねぇミウちゃん、帰りどっかに食べにいかない?」




せっかくのユウト先輩からの誘いだけど、





「すみません。今日は用事で・・」




寄り道禁止令が出ているから。なんてことは、言わないけれど。





「そっか、残念。じゃぁ家まで送っていくよ」





そう言って、ユウト先輩は言ってくれた。




「大丈夫ですよ」




あわてて断る私にユウト先輩は、



「女の子ひとり、夜道は危ないからね」








< 17 / 91 >

この作品をシェア

pagetop