_愛の形_
そう言って、重いステーキがのっていた鉄板を持ってくれようとしているのはユウト先輩。
「先輩、いつもありがとうございます」
「困ったときはいつでもどーぞ?」
そう言って、丁寧な返事を言って、うけを狙うユウト先輩。
私は笑いながら食器をもつ。
「すみませーん」
お客の注文をしようと定員を呼ぶ声が聞こえてくる。
「あとは俺がかたずけとくから。オーダー、聞いてきて」
そう言って、嫌な仕事を代わりにしてくれる、優しいユウト先輩。
れいちゃんとユウト先輩、性格は違うけど、何処かかぶるところがあるなー。
そう思いながら、「すみません。お願いします」
私は頭を下げてから、オーダーを聞きにいった。
やっとバイトが終わり、スタッフルームを出ると、
「ミウちゃん」
スタッフルームの外にいた、ユウト先輩に声をかけられた。
「お疲れ様です」
私はそう言って、頭を下げる。
「ねぇミウちゃん、帰りどっかに食べにいかない?」
せっかくのユウト先輩からの誘いだけど、
「すみません。今日は用事で・・」
寄り道禁止令が出ているから。なんてことは、言わないけれど。
「そっか、残念。じゃぁ家まで送っていくよ」
そう言って、ユウト先輩は言ってくれた。
「大丈夫ですよ」
あわてて断る私にユウト先輩は、
「女の子ひとり、夜道は危ないからね」