_愛の形_
私はゆっくりとしゃがみ、手をゆかにつこうとする。
・・だけど、床につこうとしていたその手は、誰かの手によって力強く上に戻され、
「お客様、こういうのは困ります。周りのお客様に迷惑がかかるので、お話は僕がお聞きします」
その力強い、手と声は、ユウト先輩のものだった。
私は安心して、力が抜ける。
「はあっっ?髪が入ってたんだよ!!髪がっっ。なのにその生意気ないい草はなんなんだよーーっ!!!」
そう言ってお客はよりいっそ怒りをあらわにする。
「ですからお客様、店内ではお静かにと。なんなら、スタッフルームでお話をおうかがいいますので。こちらにどうぞ」
そう言って、ユウト先輩は男達をスタッフルームにつれて行こうとする。
男の連れが怒りをあらわにしている男にそっと話す。
「もうやめとけって。悪ふざけはここまでにしてもう帰ろうぜ。」
そして・・
聞こえてしまったんだ。
「…この髪、俺らがしこんだんだからさ」