_愛の形_
災難な所に出くわしてしまったなー。
と、一人思っていると
「俺ね、好きな人がいるの」
って、声の主…
れいちゃんじゃん。
れいちゃんの切なげな声が私に届く。
「届きもしない恋だけど」
乾いた声で笑うれいちゃん。
顔は見えなかったけど、はっきりと頭に浮かぶ。
れいちゃんには、叶わない恋など、無縁のものだと思っていたけれど…。
それよか、れいちゃんに本気で好きな人がいるなんて、知らなかった。
…知らないのは当たり前なのかもしれないけれど。
だけどれいちゃんは、本気で人を好きになったりなんかしない。と、何故か私は決めつけていたのかもしれない。
そんな事を考えてしまっている私は、
やっぱり何処かおかしいのかもしれない。
・・姉として。