お姫様は下僕様!?
――ぽろっ
ふと、あたしの頬に
温かいものが伝った・・・
『・・・っ、』
ソレは、次々と溢れ出して
床へと落ちていく・・・
別に、この家に居られなくなったのが、
悲しいわけではない
ただ・・・
淋しいんだ・・・。
あんな人たちでも、一応あたしの両親。
両親と過ごしたこの家には
数え切れない位の思い出が、たくさん詰まっている。
いつも突然に放浪しに出てってしまう、両親
あたしだって、寂しくて、心配しないわけないんだ・・・。
それでも、
2人は此処へ、帰ってきてくれる
どんなときだって、必ず、此処に帰ってきて
一番にあたしを抱きしめてくれた
あの瞬間は、今でもハッキリ覚えている。
あの、温もりを―――