無色の日の残像
「その名前どこかで──お聞きしたような──」と、少年は少し考え込むようにしてから、
「自分は第61特殊作戦航空団、第171特殊戦術分遣隊の新見少尉です」と名乗った。
少年の口から飛び出した長い肩書きに、ウミがぽかんと口を開け、クウが目を剥いた。
「少尉!?」
クウは大声を上げた。
「ってお前、何歳!?」
「十六だけど?」
「う──嘘だろォ!?」
愕然とするクウの腕を、横からウミが引っ張った。
「な・・・・・・何なの、ショウイって?」
「軍の将校だよ」
「え?」
「スッゴイ偉い階級の奴、ってこと!」
こそこそと言葉を交わしながら、二人は少年の小柄で華奢な背中をしげしげと眺めた。
「171・・・・・・」と若いマスターは呟いて、何か悟ったように頷いた。
「ああ、SAMFの──ふうん」
そんな風に言いながら、値踏みするかのような視線を「新見少尉」と名乗った少年に向ける。
少年が顔をしかめた。
すぐにマスターはにこやかな表情に戻って、「尋問ならご自由にどうぞ」と言った。
「では、他の客を──」
言いながら店内を見渡して、新見なる少年は、自分たち以外に誰もいないことに気がつく。
「自分は第61特殊作戦航空団、第171特殊戦術分遣隊の新見少尉です」と名乗った。
少年の口から飛び出した長い肩書きに、ウミがぽかんと口を開け、クウが目を剥いた。
「少尉!?」
クウは大声を上げた。
「ってお前、何歳!?」
「十六だけど?」
「う──嘘だろォ!?」
愕然とするクウの腕を、横からウミが引っ張った。
「な・・・・・・何なの、ショウイって?」
「軍の将校だよ」
「え?」
「スッゴイ偉い階級の奴、ってこと!」
こそこそと言葉を交わしながら、二人は少年の小柄で華奢な背中をしげしげと眺めた。
「171・・・・・・」と若いマスターは呟いて、何か悟ったように頷いた。
「ああ、SAMFの──ふうん」
そんな風に言いながら、値踏みするかのような視線を「新見少尉」と名乗った少年に向ける。
少年が顔をしかめた。
すぐにマスターはにこやかな表情に戻って、「尋問ならご自由にどうぞ」と言った。
「では、他の客を──」
言いながら店内を見渡して、新見なる少年は、自分たち以外に誰もいないことに気がつく。