夢にで荘
「どうせ寝坊でしょ〜?
ほっときなよ、あんなやつ〜」




健ちゃんは、顔をしかめながら2階を見上げた。




そう、健ちゃんは千夏にはとことん冷たいのだ。




これが明さんだったら




「大変っっ
私の愛のパワーで目覚めさせなくちゃ☆」




とでも言って、ズカズカと明さんの部屋に入り、眠っている明さんのすぐ傍まではにかんだ表情を浮かべながら近づき、明さんの匂いを嗅いで、恍惚の表情を浮かべることであろう。




「じゃあいって・・」




健ちゃんが出勤の挨拶をしようとした瞬間、




ドタドタドタ




千夏が2階から勢いよく階段をかけ下りてきた。
< 107 / 133 >

この作品をシェア

pagetop