夢にで荘
明さんが私に手伝って欲しいことなんて、全く想像もつかないが、私は快く了解した。




しかし、明さんが私に頼みごととは珍しい。




残りのお茶をすすりながら、明さんに目をやると、明さんの視線は庭に向けられていた。




・・明さんが運んできた庭のやしの木に。




この暑い中、暑苦しい程夏を主張している目に余る物体に。




最近、近所の子供達が庭の塀からはみ出て見えるやしの木を観て何て言ったか知ってますか、明さん。




「ここに住んでる奴ら、アホなんだろうな」
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