先生とあたしのヒミツな生活♪
授業が始まって数十分。
菊池は何処に行ったのか
席はまだ空いていた。
アイツ・・授業サボったな・・
サボるならあたしもサボりたかったのに。
目の前では淡々とした口調で教科書を読む古典の先生。
読むならもうちょっと生徒が想像しやすいように読んでよね・・
一体何年教師をしてるのか、いつまで経っても音読がうまくない。
シーンと静かな教室に響く先生のイマイチな平家物語。
特にあてられる事もないので、外の景色に視線を動かす。
外では体育の授業をしているのか、生徒の騒がしい声と
それを叱る先生の声。
グレイの空と葉がない木々を見ると
もう季節は冬を迎える準備をしているんだっていうのが分かる。
毎日同じように流れる雲も
同じように過ぎていくこの時間も。
いつの間にか特別なものになっていた。
毎日毎日がとても大切に感じる。