先生とあたしのヒミツな生活♪
視界がぼやけて何も見えない。
ただ聞こえるのはみんながあたしの名前を読んでいる事だけ。
早く泣きやまなきゃ。
ここで泣いたらあたしじゃない。
あたしがあたしでなくなってしまう。
分かってる。
分かってるのに。
「ちょっと来い」
いきなり腕を引っ張られて教室の外へと出される。
この声の主は菊池。
「き、くち」
離して、そう言いたいのに。
あたしは大丈夫だからあんたの世話にはならないからって
いつもの口調で言ってやりたいのに、
それすら出てこないあたしは
きっと重症なんだと思う。
「ここでいいか」
目を隠しているから何処にいるのかは分からないけど。
多分ここが何処だか分かる。
この消毒液の匂いは保健室だ。
「今先生いないし。思いっきり泣けよ」
菊池の一言で
「ひっくでも」
「泣くことだって必要なんだぜ?」