先生とあたしのヒミツな生活♪


「この先何があってもこの気持ちは変わらないと言い切れる。」


あたしだってそうだ。


たとえこの先何があっても

この気持ちは絶対に変わらないって言いきれる。



「だが俺はお前を縛る気はない。
他に好きな人ができたら迷わずその人の所へ行け」



そうだよね


先生はそういう人。


いつ

あたし達が再会するか分からないのに


不確かな約束は絶対にしない。

「お前はいつも自由でいい」


真っ暗な部屋に


先生の言葉だけが響く。


きっとこれが先生なりの優しさなんだよね。


「俺を絶対に待つな。幸せになるんだ。
たとえ、相手が俺でなくても」


先生のその言葉があまりにも寂しく響いて


今度はあたしが先生を強く抱きしめた。



さっき泣きやんだばかりなのに。


次から次へと溢れる涙が頬を伝っていく。


拭いきれないくらいの涙。


分かってる、これ以上泣いたらいけないって。


情けない、これ以上困らせたくないのに


「どうか、幸せになって欲しい。」


いつもよりも優しい声。

そんな声で言わないでよ。


あたしを泣かせて楽しんでるの?

そう思った時、ふと菊池の言葉が頭を過ぎった。

「俺達は離れても平気。それにさ、もしこれから
何かあって別れることになったとしても。
きっと俺達はまた恋をすると思う」


「だって俺達運命の赤い糸で結ばれてるから」



こんなことを言うなんてあたしらしくないかもしれないけど。

あたしは何処かで信じたいのかもしれない。



あの時言った


菊池の言葉を。

先生があたしの運命の相手なんだって事を


この気持ちを


ずっと信じたい。


「今はこうして離れるけど。
でもいつかあたし達、また会えますよね?」


暗くて何も見えないけれど。


「!?」


急に降ってきたキスが
先生の答えのような気がした。




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