僕様王子に全てを奪われて
『はあ…今日も麗しいわね』
『有栖川先生、格好良いわあ』
『今日のお召し物もよくお似合いだわ』

ゾワゾワぁっと私は女性たちの声を聞いて、鳥肌が立った

ええ?

なに…この甘ったるーい空気は…

ひいぃぃぃっ

気持ち悪い……てか、この雰囲気についていけないっ!

教室に入った有栖川が、にこにこと微笑んで教壇に立った

「こんにちは」

有栖川の挨拶に、さらに女性人たちの悲鳴がわき立つ

やめてぇ…鳥肌がっ…

女性の黄色い声援って……私の肌には合わないわ!

「今日は可愛いらしい見学者さんがいらっしゃるみたいですね」

「ひぃ」

有栖川の言葉に、私はびくっとした

前の席に座っている女性たちが一斉に、私の顔の確認をする

「あ…えっと…、よろしくお願いします」

私は席を立つと、頭を下げた

「後ろで見えますか?」

有栖川が微笑んで口を開く

もうっ!

構わないでよ

目立つじゃないの
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