僕様王子に全てを奪われて
よしっ!
できたぁ…
ふふぅん♪
久々にやって、楽しかったぁ
「…ってあれ?」
私は教室内をぐるぐると見渡した
「え? ええっ?
あれ?」
おかしいなあ…そんなに集中して、た?
誰もいないなんて
「終わりましたか?」
「うひゃあっ!」
突然の声に、私は驚いて声をあげる
目の前に椅子に座っている有栖川が、にこにこと微笑んでいた
「あれ? 生徒の皆様は?」
「もう帰りました
…ていうか、レストランにいると思いますよ」
「え?」
「教室のあとは、たいていレストランで夕食を食べて帰るんですよね」
「はあ…」
「だから」
「だから?」
「教室を閉めたいんですけどね」