僕様王子に全てを奪われて
「僕がいなくていいの?」

「いやぁ…だからぁ、その、ねっ」

こ、困るんですけど!

なんで?

家に帰ったほうがいいよ…って言っただけのにぃ

なんで私が有栖川に責められてるのよ

なんで『僕がいなくても?』っていう質問になるわけ?

腰にある有栖川の手が、お尻の方へと移動していった

「え?…ちょ…っと」

「僕がいないてもいいの?」

「だから…全く来なくなるっていうはの困るけど」

食事面でね!

…あと、お金面もねっ

他は…べつに、平気だと思う

たぶん、きっと…

有栖川の手がすっと私の体から離れた

「僕は…嫌ですよ
愛子さんの居ない場所に帰るなんて…」

一瞬、悲しそうな目をしたかと思うと、有栖川がぱっと笑顔を作った

「あ、愛子さんも自宅に…」

「行きません」

「え?」

「嫌だよ、絶対に行かないもん!」



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