僕様王子に全てを奪われて
私の顔が熱くなった

私…有栖川になってことを…

そんなに寝ゾウが悪いなんて…知らなかったよ

私のかかとが、有栖川の股間に?

「い…痛かった?」

「当たり前です」

有栖川の視線を横に移動した

少し恥ずかしそうにしている

…って恥ずかしいのは私だってば!

「そのときの寝言が…『色気のない15歳のガキ臭い女で悪かったわね!』でしたよ」

「ええ? 寝言までっ?」

なんか…もう、穴があったら入りたい気分だわ

嘘…すっごい恥ずかしいよ

寝言に、寝かかと落としなんて……

「ご、ごめんなさい」

「別にいいですけど
こちらこそ…
こういう状況なのに、股間を負傷していて申し訳ないですね」

え?

こういう状況?

私は自分の格好に驚いた

「あ…えっと、これは…ねえ
つい…ていうか」

私は乾いた笑い声をたてながら、ずるずるっと有栖川の上から降りた
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