僕様王子に全てを奪われて
有栖川がにっこりと微笑んだ

「たぶん、僕と同じ理由なんでしょうね」

は?

有栖川が嬉しそうな顔をしていた

「愛子さんが、僕の服を飯島さんに貸したくない理由です
僕も絶対に、愛子さんの服を着せたくない」

『こ…困るんですけど』

冴子の声がした

「なら正直に話したらどうなんですか?」

有栖川の視線がドアに向いた

正直に?

がちゃりとドアが少しだけ開くと、冴子が顔を出した

出した?

え?

ええ?

誰…この人!

「お…おと…お…男?」

私は見知らぬ顔の人を指さした

「飯島でーす」

冴子の声だ!

「さ…さ…さえ…お…おっ、と」

私の指先がふるふると震えた

あの豊満な胸は?

色っぽいは太ももは?

ええ?

どういうこと?

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