僕様王子に全てを奪われて
「竜ちゃんにも過去があったでしょ?
それを莉子さんは受け入れた

女ってもともと受け入れるのが上手な体になっているのよ
男は自分勝手で、それでいて女を支配したがる
…なあんてね~
ちょっと大人ぶってみました」

ふっと竜ちゃんが笑った

「愛子、変わった」

「そりゃあ、変わりますよね~
許婚に振られてぇ
許婚と恋人のエッチを見せつけられて…
んで、華道界を追い出されて
家も失い…バイトも失って…

…極めつけには、元許婚に初エッチを見られるとは…」

別に涙が出ているわけじゃないけど

ティッシュを一枚手に取ると、目に当てた

「あー、はいはい
…って愛子って処女だったんだ」

「はう…そうですけど、何か?」

「いや…中学のとき、いろんな男と付き合ってたから」

「付き合ってません!
付き纏われただけですっ」

箸でびしっと竜ちゃんのさした

「なんだ
そうなんだ」

竜ちゃんがにこっと笑った

「じゃあ、僕が誤解してなかったら別の未来があったかもね」

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