僕様王子に全てを奪われて
「…あったかもね」

私もにこっと笑った

それって、莉子さんではなく私を選んでいた未来ってこと?

でも結果的には、竜ちゃんは莉子さんと出会って私は振られてるよ

身体の関係がないまま…離れて良かったんじゃない?

「そっか…なら、いいや
愛子の気持ちが固まってるなら
僕から言うべきじゃない
有栖川さんの口からきちんと聞くべきだ」

「竜ちゃんって…良い人だねぇ」

「さあ…どうかな
…て、昨日から小山内先輩が愛子に電話してるらしいんだけど…
出ないから…見て来いって言われたんだ」

「はっ」

またも、忘れていたっ!

そうそう、そうよ!

高波計画を忘れていたわ

「携帯の存在をすっかり忘れてたよ…ってそうさせたのは竜ちゃんですけどぉ」

「はい?」



自分がいけないんだ

きちんと有栖川を向きあえてないから

気持ちのすれ違いを繰り返しちゃう

ちゃんと有栖川と話をしない、とね
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