僕様王子に全てを奪われて
「紅茶をどうぞ」

私の前に、綺麗なカップに入った紅茶を桃香さんが置いてくれた

「どうも」

「熱いから、気をつけてください」

「あ…はい」

やっぱ、間近で見ても可愛い人だなあ…

む…胸が大きい…

ちょっとうらやましいなあ…

はあ…

私も冴子に聞いて、肉の寄せ集め術でも伝授してもらおうかな?

「あ…じゃあ、お金があるフリをするの?」

「さっさと気づけ!」

「だって、金がない人に金持ちのふりって難しいんですけど…」

「有栖川がいるだろうが」

「ええ?」

高波を叩くので、お金を貸してください…なんて言えないし!

…て、言ったら絶対に『やめなさい』って言われるに決まってるじゃん

「それにあんたは元々、それなりの家の女だろうが」

「名声しかない…金のない家でしたけど?」

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