僕様王子に全てを奪われて
そのまま有栖川の視線が、胸から外れた

「飯島さん、夕食は?」

「食べてませんよー
だって聖一郎さんが作っててくれたのでしょう?」

「まあ…そうですけど」

「やった
有栖川の手料理ぃ」

私はサンダルと脱ぐと、スキップをしながら居間に向かった

「愛子さん、手を洗って……」

「わかってますぅ
早く食べようよ!」

「はいはい」

有栖川が振り返ると、居間に入ってきた

「愛子さん…」

「え?」

私は買い物袋をソファに投げていると、有栖川が後ろから抱きついてきた

「今夜は、寝かせませんよ」

「は…はあ…」

私の脳内が真っ白になった

「痛くしませんから」

「はい…」

私は下を向いた

これは…胸の効果アリ…と見ていいのかな?
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