僕様王子に全てを奪われて
「愛子さんの谷間がいい」

「はあ?」

私は眉に力を入れると、有栖川の目を睨む

有栖川はにっこりとほほ笑むと、掴んでいないほうの手で私の胸を揉んだ

「窒息死するなら、愛子さんの胸がいい」

「ちょ…何するのよ!」

私は、有栖川の頬を平手打ちした

昨日よりも強く引っ叩いた

そして、有栖川の腕を振り払って間合いを開けた

「ふざけないでよ!
女と遊びたいなら、昨日のキャバにでも行けばいいじゃない」

馬鹿にしないでよ!

「お金をかけたくないなら、生徒だっていいわ
華道界のプリンスだものね
抱かれたい女はそこら中にいるんじゃないですか?」

ぷいっと横を向くと、私を有栖川に背を向けて歩き出した

『華道界のプリンス』だって…

言いたくもない言葉を口にしちゃったわ

なにが

プリンスよ

華道界の外道よ…外道!

悪魔でもいいわ
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