僕様王子に全てを奪われて
夕食を3人で食した

有栖川が作った和食を、私は全部食べ尽くす

「すごい食欲ですね…」

有栖川が苦笑している

「あまり食べ過ぎると、お腹がぽっこりして魅力がなくなるわよ?」

「うん、もうぽっこりしてるもん」

「それ以上、ぽっこりさせるなって言ってるのよ」

「和服だとさ
帯でぎゅってしめちゃうから、お腹の出具合なんてわかんないから」

私がにこにこと話す

「…ってもう和服なんて着てないでしょ」

と、冴子に突っ込まれる

確かに…

「胸が大きくなったから、多少はわからないもん」

「似非チチが」

「冴子に言われたくないっ!」

有栖川の乾いた笑いが、キッチンで響いた

「有栖川…ちょっと話があるんだけど
冴子も…」

「え? 何ですか?」

有栖川が首をかしげると、キッチンから出てきてダイニングの椅子に座った
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