僕様王子に全てを奪われて
…て、あれ?

冴子って、小山内勇人さんのことを知ってるの?

「なら、彼一人で解決すればいいでしょ?
なんで愛子さんが動く必要があるんです?」

「証拠が欲しいんでしょ?」

え?
あれ?

有栖川も知ってる感じ?

有栖川はむすっとすると横を向いて、肘をついた

「こっちだって経営の影響を受けているのよ?
目をつぶるのにも、限度ってものがあるわ」

「だからって…」

「他の生徒さんを使うの?」

「それは…」

「なら、愛子さんが適任でしょ?
嫉妬心や焼きモチがあるのはわかる
やるべきチャンスを逃して、痛手を受けたい?
あの教室を潰したい?」

有栖川がふうっと息を吐きだした

「わかりました
絶対に、無理はしないでください」

「わかってる」

私はにっこりと笑った
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