僕様王子に全てを奪われて
駄目よ!

なに、有栖川を肩を持っているのよ

滝沢の家を潰して、王座に君臨した男なんだから

同情する必要なんてないのよ

もっともっとお金を使わせて、破産させて……貧乏になればいいのよ

そうよ

貧乏になって…華道界のプリンスを廃業しなさいってっつうの

「美味しい店でしたね」

店から出てきた有栖川が、私と目が合うとにっこりと笑った

「そ…そうね」

ぷいっと横を向くと、私はすたすたと歩き始めた

有栖川の車の前で足を止めると、車の窓にうつる自分の顔をじっと見つめた

ぶっさいくな顔

化粧しても……なんか、今の私の顔って不細工だわ

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