僕様王子に全てを奪われて
有栖川がまたため息をつくと、椅子にすわりなおして冷たいほうじ茶を一口飲んだ

「旅費は出します
でも条件が一つあります」

「え?」

「僕も付いていきます」

「なんで?」

ちらっと有栖川が私を見てから、視線をそらした

え?

何?

またため息をつくと、有栖川が肘をついた

「愛子さん、高校を退学して社会を経験したからって
いきなり大人になったわけじゃないんですよ
自分の年齢を考えてください
自分の立場をわきまえてください
自分の力を知ってください
僕が言いたいのはそれだけです」

有栖川は席を立つと

有栖川の部屋に入ってしまった

な…何よ!

どうして?

何で急におとな面?

いや…確かに

大人だけど

ある意味、養ってもらってるけど

なんで、どっかの父親のみたいな発言してるの?
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