僕様王子に全てを奪われて
「有栖川がいないとさびしいなあ…」

少し大きな声で言ってみる

…が、有栖川は部屋から出てくる気配は全くなかった

相当、怒ってるっぽい?

それともホントに、疲れて寝ちゃったとか?

まだ夜9時だよ?

私は席を立つと、有栖川の部屋をノックした

部屋の中から、話声が聞こえてきた

あ…電話中?

『2日間でいいですから
日程を調整していただきませんか?
どうしても外せない用事が……』

もしかして、旅行に行くから?

私のせい?

無理しなくていいのに

だって私、一人で行けるよ?

竜ちゃんのご両親だっているし、タッちゃんもいるんだよ?

未成年だけの旅行じゃないよ?

なんで、無理する必要があるの?
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