僕様王子に全てを奪われて
…って、あの二人は付きあってたじゃない!

私は別に、付き合ってないし

なんで黙って耐えなくちゃいけないのよ

「わかった!
私、ここを出ていくわ」

私は立ち上がると、大きく頷いた

それが一番、いいのよ

「はあ?」

冴子が眉間に皺を寄せた

「何を言ってるのよ」

「私がいなければ、冴子と有栖川が結婚するでしょ?」

「しないでしょ!」

冴子が即答する

「へ?」

「ホントに馬鹿ね、アナタって

聖一郎さんはアナタがいいって言ってるの
藤城家に捨てられて、姿を消したアナタを探しだしたのよ?

また出ていってみなさいよ
すぐに聖一郎さんに見つけ出されて、このマンションに引きづり込まれるわよ

今度は、首輪や手錠を掛けられるんじゃないの?
聖一郎さんの許可なしでは、外には出られないように…ますます魅力から遠ざかるわ

私が言いたいのは
アナタを想いながら苦しそうにしている聖一郎さんに、身代りにされるのが嫌だってこと

アナタは、もう聖一郎さんから離れらなれないんだから
無駄な抵抗はせずに、さっさとヤラれなさい

まずは今夜、色気のある下着をつけて
ベッドに潜り込んでよ」

「え…嫌だ」

「アナタに拒否権はないの!」

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