star dust
俺は縁に沢山の言葉を投げた



「俺たち子供が遊園地なんて無理だろ!?
 できもしね−約束,俺の前でするなっ」


その中で黙って聞いていた縁がこれにだけ返事をした



「音緒,もう約束したんだ
 俺は…俺だけは絶対約束を守るから」


縁の強い眼差しに,俺は何も言えなくなった


そのまま縁は部屋を出て行き,その日,帰ってこなかった


縁のあんな顔…初めて見たからか,俺は少し期待を胸に抱く


“もしかしたら縁は約束を守ってくれるんじゃないだろうか”


どうせまた失望するのに,そう思わずにはいられなかった


数日後…クリスマス当日



「縁っ着替えろ!!」


朝っぱらから縁に起こされて俺は訳も分からず着替える


時計を見るとまだ6時


出掛けるぞ,とリュックに荷物を詰めさせられ,こっそり部屋を出た


外で待っていたのは奈緒子


先導されるまま施設を抜け出した


バレたら絶対起こられるのに,こんなことをしてまでどこに行くんだろう


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